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一月(睦月)
曙棗茶の趣向と行事
正月、雪見、甲子釜、若水汲みと大福茶、
七草(人日の節句)など
初釜、夜咄の茶事二十四節季
6日 小寒・20日 大寒
曙棗
京都の主な行事:一月
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1日:正月
歳旦祭(元旦)[市内各神社]
1~2日
心経祈祷修正会 [大覚寺]
1~3日
初詣 [市内各神社]
皇服茶 [六波羅蜜寺]
奉納書初大会 [長岡天満宮]
初大国祭 [地主神社]
2~4日
筆始祭・天満書 [北野天満宮]
3日
かるた始め式 [八坂神社]
4日
蹴鞠始め [下鴨神社]
7日:人日の節句
白馬奏覧神事 [上賀茂神社]
8~12日
初ゑびす [恵比須神社]
10日
初金比羅 [安井金比羅宮]
11日:鏡開き
14日
法界寺裸踊り [法界寺]
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15日
柳のお加持と弓引き初め [三十三間堂]
七福神めぐり [泉涌寺]
20日
湯立神楽 [城南宮]
21日
初弘法 [東寺]
25日
初天神 [北野天満宮]
28日
初不動 [狸谷不動院]
(※ 日程は異なる場合がございます。)
一月に用いられる意匠とアイデア
干支
十二支の始まりである子年干支と御題
十二年に一度で巡ってくる干支と
歌会始のお題はその年を象徴する
テーマとして最もご馳走となる
意匠と言えます。
新年の茶会の取合せには
やはり必須といえるでしょうか。御題
お題「望」
めでたい
富士山、鶴亀、宝尽、
蓬莱山、鳳凰、海老、
鯛、七福神、茄子
松竹梅、俵、日の出 など
香合 仁清 日出鶴正月あそび
羽子板と突羽根
ぶりぶり
唐子遊び
蹴鞠 など
香合 仁清 ぶりぶり
茶碗 乾山 雪松季節の花と時候
松、寒牡丹、南天、猫柳、
枝垂柳、藪柑子、椿、
蕗の薹、福寿草など。
寒いので雪の意匠も似合う。
高麗卓棚
高麗卓(宗旦好)
寿棚(淡々斎好)
及台子(宗旦好)
紹鴎棚 など
嶋台茶碗
内に金・銀の箔が貼られた一双の楽焼茶碗。
※ 箔が剝れれば、押替修理も承ります。
一月に用いられる銘の例
福寿
松風
萬歳
吉祥
寿山
乾坤輝
神楽(舞)
あけぼの
常盤
早春
千年翠
(鶴)一声
慶雲
青海波初笑
笑くぼ
庵の友
若水
柏手
賀祝
初暦七福神
福の神
恵美寿
布袋
寿老人
福禄寿
宝船瑞雲
丹頂
末広
千歳
養老
富貴
破魔弓
春天
三番叟
高砂
十八公
翁
二人静
蓬莱
※ ご希望の銘で、茶杓の仕立も承ります。
一月に用いられる禅語の例
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春入千林処々鶯
「春は千林に入る処々の花」に基づく。
元伯宗旦が七十八才のときの筆になる二行書。
表千家家元では初釜の床に掛けるのを恒例としている。 -
春入千林処々花
春になれば林という林は一斉に芽吹いて、
いたる所に花が咲く。
松樹千年翠
松の木はどんな自然の変化にも耐え抜き、
千年もの長い歳月さえ変らず美しい緑である。
青松多寿色
松は季節を通しても年月を重ねても青々と鮮やかである。
年月を重ねた老松は「長寿」の象徴でもある。
彩鳳舞丹宵
彩鳳は五色の羽毛を持つ鳳凰。
丹宵は朝焼けの赤い空。めでたい風光。寿山萬丈高
寿山は長寿を意味し、めでたい様。
それが万丈に高いと更に強意している。
福寿海無量
福寿とは、福徳すなわち功徳、善行と寿命のこと。
この二つが海のごとく無限無量であるという非常にめでたい言葉。慶雲生五彩
めでたい雲は五色の彩りを生みめでたい様子。
五彩は陰陽の五行にも例えられる。
鶴宿千年松
老松に鶴が宿っている、めでたい様。
茶の正月である口切に用いられることが多い句。松花伴鶴飛
めでたさを表す松の花と二羽の鶴が仲睦まじく飛ぶ様子。
無事是吉祥
無事なことは喜ばしい事である。
日出乾坤輝
日が昇れば天地万物を照らす。
暗闇は一掃され、浄土が現れる。
一花開天下春
一輪の花が天下に春が訪れたことを知らしめる。
花開萬国春
至る所で様々な花が咲き始めれば、
本格的な春の訪れである。
※ ご希望の禅語で、掛軸の仕立も承ります。