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四月(卯月)
茶の湯行事
透木
茶の趣向
花見など
二十四節季
4日 清明・19日 穀雨
京都の主な行事:四月
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1~30日
都をどり [祇園甲部歌舞練場]
2日
松尾大社例祭 [松尾大社]
3日
土解まつり [上賀茂神社]
4日
護王大祭 [護王神社]
5日
花まつり [市内各寺院]
5~20日
京おどり [宮川町歌舞練場]
8日: 花祭り 10日
桜花祭 [平野神社]
13日: 十三参り
豊太閤花笠行列 [醍醐寺]
やすらい祭 [今宮神社]
15日~25日
北野をどり [上七軒歌舞練場]
17日
春の例祭 [御香宮神社]
18~25日
法然上人御忌大会 [知恩院]
第3日曜日
良縁祈願さくら祭 [地主神社]-
下旬~
きりしままつり [長岡天満宮]
21日
稲荷祭 [伏見稲荷大社]
21~29日
壬生狂言 [壬生寺]
24日
愛宕鎮火祭 [愛宕神社]
29日
曲水の宴 [城南宮]
(※ 日程は異なる場合がございます。)
四月に用いられる茶道具と意匠
桜
桜、枝垂桜、夜桜、桜川、花筏、山桜など。名所を関した物では、吉野山、嵯峨、祇園、嵐山、隅田川などをモチーフにした意匠もある。
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桜に関係する意匠
花見では宴が行われるでしょうか。美味しい花見団子や賑やかな太鼓など楽器の音。夜ならば篝火がくべられ、朧月と夜桜の絶景。水のイメージであれば桜の葉が浮かぶ川など、花筏や隅田川(都鳥が有名)など。長野県には源義経が奥州に落ち延びる途中に馬をつないだといわれる「駒つなぎの桜」があり、桜と馬が一緒に描かれることもある。
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春の野
桜以外の意匠は春の野原である。春野、蝶、土筆、蕨、クローバーなど。筍なども美味しい季節である。
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桜の散る頃の取合せ
桜は四月下旬頃には散ってしまっているので、四月後半の取合せは思いの外、難しい物です。かといって全てにおいて五月の取合せを先取りしてしまうと、四月の茶会という感じがしません。茶碗の意匠としてはつつじや山吹、クローバー、カーネーション、サクラソウといった少し珍しいものでしょうか。満開の桜の意匠は合いませんが、花から緑へと変わってゆく葉桜や錆絵など寂しげに桜が描かれた物などは四月の名残に面白いかもしれません。また、新緑の取合せを先取りしていくと良いとおもいます。
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四月に好まれる道具
透木釜
内に金・銀の箔が貼られた一双の楽焼茶碗。
※ 箔が剝れれば、押替修理も承ります。-
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棚
高麗卓(宗旦好)・寿棚(淡々斎好)・紹鴎棚・及台子(宗旦好)など
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四月に用いられる銘の例
花衣
花の宴
花錦
花筏
桜川
隅田川
都鳥
雲錦
花雪吹
山桜
遅桜
八重桜
春の宵
朧月
篝火
春燈
青柳
花紅
曲水の宴
清遊
陽光
春雷
陽炎
囀り
※ ご希望の銘で、茶杓の仕立も承ります。
四月に用いられる禅語の例
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百花為誰開
たくさんの花は一体、誰の為に咲くのだろうか。
誰の為でもないのではないだろうか。
誰に何を言われようと、
自分の信に従って一生懸命であればいいとの意。
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弄花香満衣
花を扱えば、いつの間にか衣に芳香がついていた。
物事も実践をつみ精進努力を続けていれば、
気がついた時には自分の物になっているだろう。
山花開似錦
春の山は見事に花が咲き誇っている。
また、秋の山は一面、紅葉で錦のようだ。
春と秋に使える語句である。
「澗水湛如藍」の対句である。
春色無高下
春の風光そのものに上下高低の区別はないが、
花の咲く枝には自ずからそれぞれに長いものや短いものがある。
春色無高下≪対句≫花枝自短長
柳緑花紅
柳は緑で花は紅である。
中国の詩人・蘇東坡の「柳緑花紅真面目」より花開蝶自来
寿
千里春如錦
福
一華開五葉
め
花開天下春
沢山の花が天下に春が訪れたことを知らしめる。
花開萬国春
至る所で様々な花が咲き始めれば、
本格的な春の訪れである。
萬家太平春
春という季節は、全ての生ある物に対して目覚めをうながす。
いたる所の家には、差別なく等しく春が訪れる。
家の繁栄を表す目出度い言葉。
※ ご希望の禅語で、掛軸の仕立も承ります。